今週の鶴見川


2001/2/25 日

11時30分。晴れ・気温摂氏8度
北の風5〜8m、干潮。

台船より鶴見川を見る

 先週一週間は最高気温が17度まで上がる日があるなどとても暖かかったが、 土曜日から冬に逆戻りしてしまった。昨日は小雨のぱらつくどんよりした一日で寒々と していた。きょうは良い天気になったが風がある。少し寒い想いをするかもしれない。
 12時ちょうどに出艇。漕艇場の風力計は最大9mを記録しているという。 上流が風上なのでボートの人たちもなかなか進まずに苦心している様子だ。

ナックルフォー

 レーシング艇は横波に弱い。艇が風波に対して真横になると、まるで波間にはまって しまったように回頭しなくなるのだ。 「風上に艇を立てろ!」頭の中で船長が指示を出す。片パドルをスゥイープして懸命に向きを 変える。橋の下、特に風上側の風が強い。とはいえ川と向きがずれているらしく 斜めの波は立つがデッキをなめるほどの波高にはならない。ただ拳が冷え切ってしまい 感覚が鈍い。向かい風を押して登り切り、ターンして下り始めると拍子抜けするほど楽に漕げる。 風も感じないし陽もあたり暖かい。コースを降りきってターンするとまた風との戦いが始まるのだ。
 そんなことを繰り返して4週。ノルマはキープってところだがタイムはイマニくらい、 登りの遅れを降りで取り返せなかったのが残念。

本日漕行16キロ2時間5分
あれま制限時間オーバーだ!

目撃、宙を舞う毛布

 末吉橋をベビーカーを押して渡る若い夫婦。そのとき一陣の風が赤ん坊の毛布を 舞い上がらせた。二人の見守る中、毛布は鶴見川に着水して広い海へ向かい旅を始めたのだった。
ただそれだけ・・・



2001/2/17 土

13時30分。晴れ・気温摂氏10度
南の風3m、上げ潮。

台船より鶴見川を見る

 天気はいいが少し風がある。1時過ぎに漕艇場に着くと、利用者は自分だけだった。 ボートクラブのメンバーが食事に出ていてもうすぐ帰ってくるとのことだったが、 只一人艇を出すのはちょっと寂しい。
 南風と上げ潮のせいで、上流へ向かうときは楽に漕げる。反対に下流へ向かえば水を被った こぶしも冷え切り、ちょいとばかり冷たい思いをすることになる。また土曜日は土砂運搬船も出て いるので見張りも気が抜けない。4回ばかりすれ違ったがいずれも泥船を引いており、4Kt 程度の低速で航行していたのはありがたかった。注意しなければならないのはタグボートが 単独で移動しているときで、6Kt以上の速さで蹴波を立ててやってくるのを見つけたら 背筋が寒くなってしまう。まあスラローム艇にでも乗っていたなら退屈しのぎ程度 にしかならないだろうが、FW艇では寒中水泳になりかねないのだ。 まあ、今回はそういう怖い思いもせずに無事練習を終えたのであった。

本日漕行16キロ1時間53分
2週間ぶりだがタイム変わらず。
二週間ぶりの練習のせいか、左手にマメを作ってしまった。

目撃、鵜の屍

 二国の(第二京浜道路・国道1号線のこと)橋の下に動かない川鵜が浮かんでいた。 川鵜はいつもつがいでいる様子だった。鶴見川の黒い漁師は片割れを失った筈だが、 普段と変わった様子もなく冷たい水中に魚を追って消えていったのだった。



2001/2/3 土

13時30分。晴れ・気温摂氏8度
無風〜南の風3m、満潮から引き始め。

台船より鶴見川を見る

 先週はさぼっちまったが来週も練習お休みだ。所用でね。さぼりじゃないってば。
 年末以来の練習不足で、顎の下に脂肪がついてきた感じがする。今日くらいしっかり 漕いどかないと練習に復帰できなくなりそうだ。
 とはいえ急に復調するはずもないので、4週16キロの距離をこなすことのみに 専念することにする。つまりはナガスって事だが、日和る自分を責めないことにしよう。
 今日は節分なので、丘の上の総持寺では「石原軍団」とか「川口ヨシカツ」なんかが マメ蒔きをしていてるはずだが、鶴見川には気配も伝わってこない。静かなもんだ。 でも暖かくて穏やかな午後のせいか、練習に来ている人たちの表情は明るく 場内の空気は和んでいる。
 艇を出してみる。思ったとおりパドルは重いが、暖かさも手伝って気分は軽い。 ちょっといい気分だ。春が近づいている気がしてしまう。
 ふんっふんっと4週漕いで1時間53分。コースの状態が良かったので気持ちよく漕げた。

本日漕行16キロ1時間53分
こんなものであろう。

目撃、シールを貼る人

 出艇前、艇を車から降ろしていると、荷台に黒い書類箱を付けたスーパーカブに乗って 紺色ジャンパー姿のオジサンがやってきた。来場者が止めてある3台ほどの車の向こうで書類箱を 開いて何かやっている。出艇時間が迫っていたので艇庫前に戻ると「おーい」とオジサンが手招き しているではないか。ボクが自分の鼻を指すと、彼は頷いてこちらにやってきた。
「あのねーここは車を止めてもらったらこまるんだよね。」  ・・・そう来る予感はあったが、それでもドキッとした。 どうやらオジサンは河川管理局の仕事で来ているらしい。  (なんで困るんだろう?)僕の顔にそう書いてあったのかオジサンは説明を始めた。 要するにゴミの不法投棄と車の乗り捨てを警戒してだという。 (そういうことしそうに見えたかなあ?)オジサンは人の心を読むかのようにそれに答えた。  「あなたが駐車すると他の車も止めちゃうんだよ。」  約5年間ほぼ毎週来ているが、漕艇場の利用者と工事業者以外でこのあたりに 車を止めているのはまず見たことがない。 だいたい去年までこの通路には片側に土手があって、漕艇場に近い部分以外は車を止めることができなかった。 その土手の陰に隠れるようにホームレスのテントが二つあったが、 8月になって土手は撤去され、通路はべったりと全面舗装されたのだ。 ホームレスの住処は漕艇場のさらに奥へと移っていった。

舗装された通路H12/8/12

 練習時間も迫ってきたとき漕艇場の職員がやってきて、オジサンにその場所が 漕艇場利用者の駐車スペースに利用できるよう申請していることを告げた。彼は 「これも仕事なんで、写真だけ撮らせてね。」 と言い残し、並んでいる車の方へ去っていったのだった。




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